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感染拡大防止等支援事業(医療機関に100万円) 診療所家賃も補助対象経費に!? ~領収証を集める必要なし?実績報告資料が5分で完了?まだ申請も間に合う!~

2020.12.16
感染拡大防止等支援事業(医療機関に100万円) 診療所家賃も補助対象経費に!? ~領収証を集める必要なし?実績報告資料が5分で完了?まだ申請も間に合う!~

①制度の概要:医療機関・クリニックなどへの国の支援事業です

新型コロナウイルス感染症の院内での感染拡大を防ぐための取り組みを行う診療所等に対して、感染拡大防止対策や診療体制確保などに要する費用を補助する制度です。

参考URL(パンフレット・厚生労働省):
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000655344.pdf

補助の上限額としては、下記の通りです。
無床診療所(医科、歯科)であれば最高100万円の補助を受けることが可能です。

・病院(医科、歯科):200万円+5万円×病床数
・有床診療所(医科、歯科):200万円
・無床診療所(医科、歯科):100万円
・薬局、訪問看護ステーション、助産所:70万円

②日本医師会による補助対象経費の明確化・診療所家賃も補助対象経費に!?

当初厚生労働省のパンフレットでは2020年4月1日~2021年3月31日までに支出される費用で、清掃委託、洗濯委託、検査委託、寝具リース、感染性廃棄物処理、個人防護具の購入等がこの制度で対象となる経費と挙げられていました。

このたび11月25日に日本医師会の定例記者会見で「補助対象となる経費が日本医師会の働きかけにより、従来からの厚労省の例示に加え、より幅広く具体例をもって明確化された」ことが報告されました。

この発表の中で、使用料及び賃借料について「既存の診療スペースに係る家賃」が補助対象となり得る経費として説明されています。

参考URL:
https://www.med.or.jp/nichiionline/article/009700.html

松本吉郎常任理事は「この補助金がかなり『真水』に近い形で医療現場の支援になることがはっきりしたので、医療機関には改めてその活用を促していきたいとするとともに、医療現場の助けになるような支援策が実現するよう、国に対し引き続き主張していく」という考えを示しており、この考えのもと家賃が対象経費と認定されれば、医療機関は日常業務に必要な費用の支出だけで補助上限額の満額利用が見込めるようになります。

歯科はどうなる?

今回の支援事業は医療機関については診療科目での区分ではなく診療所の形態で区分されています。

そのため「医師会」の提言により家賃が補助対象経費になったとしても、歯科には適用されないということは考えにくいため、歯科についても同様の扱いになると見込まれます。

現在この件が実際の現場においてどのように取り扱われているのか、東京都の実績報告事務を担当する「東京都緊急包括支援事業医療分コールセンター」に弊社が問い合わせてみたところ、「現在、会見で発表された補助対象となり得る経費例がすべて許可されるか、東京都の見解待ちである」という回答でした。

対象経費の範囲については、後日改めて範囲が確定した際に、続報をお伝えさせて頂きます。

③診療所家賃が補助対象経費なら領収書集める必要なし?実績報告が簡単になって5分で終わる?押さえておきたいポイント。

当初厚生労働省のパンフレットでは「実績報告の際に領収書等の証拠書類が必要となります」と記載されておりました。

先日発表された東京都の実績報告においては、領収書等の提出に替えて、金額・支払年月日等を記載した「事業実績明細書」の提出となっております。

これにより東京都の医療機関はまず領収書等の提出が不要です。

また、上記②で診療所家賃が補助対象経費となった場合、東京都は事業実績明細書に家賃の支払いについてのみ記載すればよく、家賃以外の支出で作成する場合(記載例①通常の場合)と比べて家賃のみで作成する場合(記載例②家賃のみの場合)は実績報告の作業が非常に簡単になります。

【記載例①通常の場合】
記載例①通常の場合

【記載例②家賃のみの場合】

領収書等の提出が必要なその他の都道府県においても、診療所家賃が補助対象経費となれば家賃に関する証拠書類(例えば家賃を支払った通帳のコピー等)の提出となり、マスクや消毒液その他対象経費の領収書等を100万円分集めてコピーする手間がなくなることになります。

診療所家賃が補助対象経費になれば100万円を使い切ることに頭を悩ます必要も、領収書集めをする手間も、実績報告の事務負担もなくなることになります。

④まだ間に合う。感染防止対策を行う保健医療機関なら申請しよう。

上記②により日常業務に必要な費用の支出だけで補助上限額の満額利用が見こまれる可能性が高くなりました。

東京都は当初11月末までの申請期限を12月28日まで延長しています。
今まで対象経費がよく分からない、使い切る可能性が低い等の理由であきらめていた医療機関の皆さん、この機会にぜひ申請を検討しませんか?

ご相談はビーワンクリニックまで。