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WEB問診システム 1社徹底研究【SymView編】
1.WEB問診システム 1社徹底研究【SymView編】スタート
WEB問診システムが気になるけど、たくさんの会社とサービスがあって何がどう違うのか、どう選べばいいのかわからない。
そうお悩みのドクターは多いかと思います。
そこで今回あえて1社のシステムを徹底研究してみることにしてみました。
1つのシステムを徹底研究することで、このサービスは絶対にほしい、このサービスはいらない、他にこんなサービスがあったらいいのに、ということが見えてくると思います。
絶対に譲れないサービスが決まればあとはほしいオプション対応ができるかで決めるか、値段で決めるか、決断ポイントが絞れてくるかと思います。
今回は株式会社メディアコンテンツファクトリーさん(以下、「同社」)にご協力いただき、運営するWEB問診システム「SymView」について取材してきました。
2.SymViewの利用イメージ・WEB問診システムの導入で院内のオペレーションはどう変わる?
1.WEB問診の流れ
まずは患者さんがクリニックのWEB問診システムまでどうたどり着くのか、回答した問診内容はクリニックにどう流れて、現場ではどんな作業が発生するのか。
WEB問診システムの導入で院内のオペレーションはどう変わるのか。
一連の流れについて簡単に質問してみました。
最初の入り口は3種類、全て患者さんご自身のスマホから入力、専用アプリのインストールは不要です。
①クリニックの予約システムに連携
*予約完了画面にWEB問診への誘導ボタンが設置されている
*予約システムメーカーさんとの連携調整は同社が代行してくれます
②予約システムがない場合はHPのトップページにリンクを埋め込む
*HP業者さんとの連携調整は同社が代行してくれます
③来院してからQRをコードのリンクから入力
*院内に置くQRコード用ツールは同社が用意してくれます
*その他患者さんの利用を促進するためのツールも同社が用意してくれます
問診にかける平均的な時間は初診(個人情報の入力含む)で5~10分程度を想定し①②の場合はご自宅や移動中など時間と場所を問わずスマホで入力可能です。
問診内容は診療科目や症状、予防接種、専門外来など、ゼロから作る手間を省けるよう「標準問診」が豊富に用意されています。
SymViewの標準問診は、患者の属性(年齢・性別)や訴える症状によって自動的に最適な質問が聞かれるよう設定されています。
この標準問診をベースに自院に合わせてカスタマイズするケースと、自院の特色に合わせて完全オリジナルで問診を作成するケースがあります。
導入クリニックが何らかの形でカスタマイズをしている割合は実際に細かく調査したことはないそうですが大体95%ほどではないかとのことです。
問診は最初に作りこんでからスタートするよりも使いながら微調整していくケースが多いそうです。
導入後の月額費用には問診票のカスタマイズのサポート費用も含むため、そうした利用が可能となっています。
管理画面にチャットツールがあるので、いつでも質問や要望を気軽に送れます。
カスタマイズの例としては、小児科さんで罹るお子さんの症状だけではなく、産後鬱の症状が出ていないか等保護者へのケアも想定した質問を設定している例など、ドクターの診療方針に合わせたカスタマイズを行っているそうです。
ほかにも、事前に検査や治療への希望を確認し患者ニーズの把握をする例や、備考欄を設けて他に相談したい症状があれば書いてもらうなど、患者さんごとの課題の把握にも繋がっているようです。
・1で患者さんが入力した問診内容はクリニックの電子カルテに連携されます
・受付は電子カルテの端末で患者さんの入力した問診票を開き、電子カルテの問診欄にコピペするだけです
・この作業は基本ワンタッチでコピーするだけの本当に単純な作業なので、受付の作業負担が増加する、業務の難易度が上がることはないそうです
・また新患の場合、氏名、住所等の患者情報を入力する必要がありますが、本人がWEB問診システムに入力した内容をそのままコピペで転記することができるため、手書きの問診票から転記するより作業時間は短縮されることはもちろん転記ミスも防止されます
・紙をスキャンして保管する作業、紙のまま保存する場合その保管スペースがいらなくなります
電子カルテと連携されているので別途複雑な作業工程が加わることはなく、単に今までの手書き問診票の転記作業が、データのコピペ作業に変わるだけなので院内のオペレーションはある意味ほぼ変化しないと言えます。
それなのに転記ミスの防止になり、作業時間も短縮され、患者さんとの接触機会も少なくて済むようになるので導入にあたってのスタッフさんの抵抗も少ないかと思います。
・患者の回答した問診内容をあらかじめ確認してからの診察が可能なため、質問も少なく患者さんへの説明等の対話に割ける時間が増えます
・患者向けの回答内容は医療用語に変換され、そのまま電子カルテに転載できる電子カルテ用フォーマットに自動変換されますので、今まで問診内容の電子カルテへの記載にかけていた時間が短縮できます
3.取材で教えてもらった便利機能
次に、SymViewにはいろいろと便利な機能やサービスがあります。
ダウンロード資料でほとんど説明されていますが、そこでは伝えきれていない情報を補足でお伝えさせていただきます。
・電子カルテとの連携方法は直接連携かQRコード連携の2種類(前者が多い)
・電子カルテには限定的なインターネット環境が通っています。それを用いて電子カルテの会社さんに正式に連携を依頼して同社のシステムと連携します。連携調整は同社が代行してくれます
・電子カルテとの直接連携が可能なので、タブレット等の別途端末を用意する必要がありません
・電子カルテ内で情報共有が可能であるため院内での情報伝達が早く、看護師さんやスタッフさんに患者さんを診察室に入れる前に必要な処置の準備の指示を行うことができる等のメリットがあります
・新型コロナウィルス感染症を想定した機能です
・患者さんが一定の条件で回答するとアラートを示すラベルがクリニックの管理画面に表示されます
・この場合患者側のWEB問診画面で自動的にクリニックへ電話連絡してから来院するようメッセージが流れる仕組みにカスタマイズすることも可能です
・アラート機能でクリニック側が気づき患者へ連絡する仕組みだと忙しい時間帯や連携ミスで患者への連絡漏れが出る可能性があります
・患者側から連絡する仕組みにしておけば案内漏れによる発熱受け入れ時間帯以外の直接来院などを防ぐことが可能になります
・インフルエンザ等の予防接種は事前にWEB問診システムで問診を済ませておくと双方時間短縮のメリットになります
・患者サイン機能はスマホ上で手書きサインの形式なので法的に有効な同意がWEB問診システムで取れます
・医療文書保存のガイドラインに準拠しているので、デジタルデータを原本として利用可能で、紙に印刷する必要もなく、紙の保管場所も不要です
・基本的には自費の予防接種で利用していただいていますが、個別に医療機関様で自治体と調整いただいた場合は公費でも利用されているケースがあります
・お子さんを連れてご家族で来院の場合、1人1人問診票を入力する必要があります
・1人入力した最後に家族分を続けて入力という項目がありその場合住所等共通データは引き継げるので再度イチから入力する必要がありません
・新患(新しくカルテを作った人)数、来院動機(HP、紹介)、症状…etc
WEB問診システムで入力してデータは基本集計が可能です
・カスタマイズ可能なので収集したい事項を問診票に設定しておけば自動集計してくれるので、経営分析に役立てることができます
費用は(ダウンロード資料にも記載あり)
・初期費用 270,000円(税抜)
・月額費用 12,000円(税抜)
これ以外には基本かかりません。
※電子カルテとの連携時に別途費用が発生する場合があります。メーカによって異なりますので、詳細はご利用の電子カルテメーカーにお問合せをお願いいたします。
その他割引サービス
・デジタルサイネージやHP制作サービスを同時利用の場合は割引サービスあり
・デジタルサイネージに表示されるコンテンツは共通の番組が短いもので1時間に1回長いもので2週間に1回で定期更新 かクリニック独自のコンテンツ(患者さんへのメッセージ、院長紹介、院内教室開催のお知らせや推したい治療の内容等)も可能
4.取材を終えて
今回の取材を通して。
WEB問診システムを始めクリニックへITツールの導入となると費用はもちろん、導入にもっといろんな意味でパワーが必要なのかと思っておりました。
予想に反して今クリニックにある設備ですぐに導入が可能であり、現場の事務作業が増える、業務の難易度が上がることはほぼないように思えました。
逆に今まで手作業で行っていた転記作業や、集計作業がなくなることでミスも少なく正確な情報が取れることになると思います。
また患者側も美容院や飲食店を予約する感覚でWEB問診システムを利用することができ、いつでも好きな時間にどこででも入力することができるので便利です。
ただ、WEB問診システムを導入しただけで済ませずに、実際に以前に比べ待ち時間が短縮されたり、案内がスムーズになったり、診察室で医師と向き合った際に自身の問診内容が既に伝わっていることでコミュニケーションが取りやすくなったりと「クリニックに向かう前に一手間を済ませたことでこれだけ便利になったのか」と思わせるまでが必要だとは思いました。
そして当たり前のことですがこういった新しいシステムを導入するにおいて比較検討することが非常に重要であると感じました。
今回お時間取って取材に協力いただく手前事前にHPから取れるダウンロード資料を読み込んでから自分の理解が正しいか、追加で聞いてみたいことを整理して臨みました。そうすると会社さんとのお話がいつにも増して楽しいことが判明しました。いきなり話を聞いてみるよりも頭に残る具合が違います・・・
その後別の会社と比較検討する際も自身が重視するポイントがどこにあるのかが見えているのとそうでないとでは決断のスピードも変わってくると思いました。
ぜひこの企画今後も新しいサービスが出るたびに続けてみたいです。